終わりに

今回で最終回となりましたが、全レッスンを終えてみていかがでしたか?やることが膨大、法律や相続のことは難しそう、手続きが面倒で・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、家族への負担を減らすことはもとより、自分の人生を把握して希望をかなえながら最後を迎えるためには、今や「終活」は必須です。そして「死」について語ることが、後々「あの人は最後まで立派だった」「自分でちゃんと人生の幕を引ける人だった」と評価される時代になりつつあります。「終活」が、今生きている時間や愛する人達を大切にすることにつながるのです。

この講座では、以下の10のテーマについて学びました。

①終活の心構え

②自立した生活を維持するための工夫

③終末期医療

④事務や意思決定を支援するための法的枠組み

⑤財産、物、情報の整理

⑥住まい

⑦葬儀

⑧墓

⑨相続、遺言書

⑩エンディングノート

「終活」は、老化や死をテーマにしているため、法律や医療の話が多くなりがちです。そのため、わからないことは専門家にきけばよい、というスタンスで臨めば気が楽です。すべてを把握し、対策を練るのは不可能です。でも、「何が分からないか、そもそも分からない」「不安だらけ」という状態からは一歩進めるはずです。最新の情報をキャッチする方法を確保し、家族や周囲と話し合うきっかけにしていただければと思います。

最初にご紹介したベストセラー「ライフシフト」によれば、人生100年時代はすぐそこまで来ています。ですから、皆さんのような40代50代では終活を始めるには早すぎると感じられるかもしれません。でも、今後の人生をどう生きるべきか、過去を振り返り、未来をみつめる作業は、いつ始めても早すぎるものではありません。時間をかけた分だけ得るものが多いはずです

サミュエル・ウルマン(1840年~1924年、ドイツ出身のアメリカの詩人)の詩を引用してこの講座を終わりにしたいと思います。これから終活を始める皆さんへのエールとなれば幸いです。

「青春」(岡田義夫訳)

青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心
安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ

年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる
歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ
苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、
精気ある魂をもあくたに帰せしめてしまう
年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か
(以下省略)

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