では、早速エンディングノートを書きはじめてみましょう。すでにエンディングノートとして市販されているものは100種類以上ありますが、普通のノートとペンがあればすぐにでも開始できます。ワードやエクセルを使用してもOKです。基本的にエンディングノートに何を書いても自由であり、決められた形式はありませんが、どのような事を書いておけば便利かをまとめてみました。

個人情報
マイナンバーや公的証明書の写しがあると便利です。自分の生年月日や、血液型、かかっている病気や、かかりつけの病院名を書いておきましょう。
連絡先リスト
病気で入院した場合、寝たきりになってしまった場合、死去した場合等、万が一の時に知らせてほしい親戚、友人、知人の連絡先のリストを書いておきます。特に一人暮らしの場合は、家族の連絡先も必ず書いておきましょう。また、家族と離れて暮らす高齢者の方は、終末期医療の治療の事や、財産や加入している保険の詳細、何かあった場合に連絡してほしい友人や知人のリストを書き出しましょう。それだけでも家族にとっては非常に役に立つ情報です。例えば、葬儀の連絡だけでなく、入院や施設に入所したことの連絡、同窓会や趣味の会など、様々な方への連絡が必要となります。現状は、年賀状と照らし合わせて喪中はがきで年末に連絡するしかなく、友人知人を驚かせてしまうことが多いようです。
財産
所有している預貯金、不動産の詳細を書着だします。公共料金の引き落とし口座や、お金を貸している場合はその詳細、また、負の財産がある場合、ローンやクレジットカードの詳細など。
生前・死後に関わる契約
任意後見制度の利用、死後事務委任契約など、法的効力を持つものについてまとめておきましょう。代理人や委任している弁護士などの連絡先もまとめます。
保険
加入している生命保険や年金の種類。国民健康保健や受給している厚生年金、国民年金の詳細など。
治療方針
病気になった場合、延命治療の有無、認知症になった場合の介護の方法、また、その場合の財産等の管理を頼む人を書いておきます。終末期医療の事前指示書として詳細をまとめるのもよいでしょう。
葬儀について
どのような葬儀にしたいのか、希望、規模、費用等、宗派等まで書いておくとよいでしょう。生前予約の有無や葬儀会社、契約内容の控えもわかるようにしておきましょう。
お墓のこと
どのお墓に入るのか、所有している場合はその場所、また今後の管理者について。お墓は不要でも、お骨の行き先や扱いは決めておかねばなりません。
形見分け
形見分けしたい品物がある場合、誰に何を分けるか残したいか、リストを書いておきます。
ペットのこと
ペットを飼っている場合、そのペットの持病やかかりつけの動物病院、与えているペットフード、継承してくれる飼い主を書いておきます。ペットのエンディングノートとして別に作り、新しい飼い主に渡せると引継ぎがスムーズにいきます。
メッセージ
その他思い出や印象に残っていること、何か伝えていきたい事等のメッセージがあれば書きためておきましょう。
家族としては、こうしたエンディングノートを書いておいてもらえると、万が一の時に慌てずにすみ、負担が相当減ります。ただでさえ、家族は、看取り、葬儀、遺品の整理、遺言書、相続、解約手続きた届け出などに忙殺されるのですから、今から少しずつ書き溜めることをお勧めいたします。
但し、エンディングノートには法的な効力はありません。相続できる財産がある方、遺言状を残しておきたい方は、公証人や弁護士に依頼しましょう。
(参考)代表的なエンディングノート
一般社団法人終活カウンセラー協会が制作した終活(エンディング)ノート:「マイ・ウェイ」
大手通販サイトで、売り上げ第1位を誇るエンディングノートの定番:「もしもの時に役立つノート」