Lesson8-3 お墓:自分に合うスタイルの決め方

今までご説明した「場所(寺院か、寺院以外か)、自然の中か、承継者がいるか、などを考慮してご自分の理想のお墓をみつけましょう。それには、以下のポイントも検討しなければなりません。遺族がいる場合は、遺族や承継者の意向も確認しておくとスムーズです。自分の思い出の地で、と理想が実現すればよいのですが、墓地や散骨できる場所は限られています。

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立地・交通アクセス

交通の便を確認します。公共交通機関での行きやすさ、車の場合のルートを確認します。送迎バスが週末や時期限定の場合もあるので注意しましょう。

費用

ほとんどのお墓には墓石代のほかに永代使用料(お墓の土地の使用料)と管理費(お墓の維持費)が必要になります。石材店が指定されている場合は、墓石代が割高になっていないかも確認しましょう。

環境

水はけや風通しのよしあしで、納骨棺(カロートとも言う、骨壺をいれる地下のスペース)に影響が出たり、お墓につくコケやカビによる手入れへの影響が変わってきます。また近くに樹木があると、後々地面の隆起か起きたり、落ち葉の掃除が頻繁に必要となることがあります。周囲の環境にも目を配りましょう。周辺が住宅地の場合、霊園・墓地の建設に反対している場合もありますので事前にチェックしましょう。

付帯設備

駐車場や休憩所・法要施設の有無、バリアフリーになっているか、備品は整っているか、水道は近くにあるかなど、お墓参りの際にあれば便利なものを確認します。

管理状況

周辺通路や共用部分・付帯設備の清掃状況、植え込みや樹木の剪定など、人の手がしっかりかけられているかを確認しましょう。

規則や制限

生前の購入の可否・承継者の必要性・お墓を建てるタイミング・墓石の大きさやデザインの制限などを確認しましょう。

まずは埋葬場所を決めてから墓石やデザインを決め、必要な費用を積み上げていきましょう。

お墓に関わる費用・価格

永代使用料:墓石を建てる土地を使用するための費用です。
管理費 :墓の周辺環境を維持するための費用です。
墓石代 :石そのものの値段です。
彫刻代 :石を加工するための費用です。
工事費:墓石を据え付けるための費用です。

おひとりの場合

お墓を守る人がいないので困る、というのが悩みであげられます。そこで、子や孫に頼らない形のお墓をご紹介します。承継できる家族がいる方でも、そもそものお墓のあり方を変えようと検討される方が増えています。以下のお墓は、家の存続にかかわらず、その寺院や自治体が存続する限り続きます。

①永代供養墓

②合葬墓

公営のものが多く、費用も墓石代が不要のため4万円程度と安いため、大変人気があります。抽選倍率10~20倍は普通で、さらにその自治体に規定年数以上住んでいること、などの条件があります。樹林型・樹木型もあります。
民営のものも少数ですがあります。例えば、一心寺という大阪の中心街にある寺院墓地は、宗派を問わず、広く納骨を受け入れています(一部宗派を除く)。納められた遺骨は10年分をひとまとめにしてお骨佛(遺骨で造られる阿弥陀如来像)に生まれ変わります。年々利用者が増えているそうです。

気の合う仲間とお墓に入る

同じ老人ホームや高齢者用マンションの仲間など、最後の時間を共にした人達と共同墓地に入るという考え方が代表的な例です。もちろん、親友同士でもなんでもかまいません。

散骨

散骨希望者は増えていますが、その受け皿になる地域との間でトラブルが生じたこともあり、現在は規制が厳しくなっています。ルールとマナーを守り行いたいものです。