Lesson6-1 モノの整理:生前整理

財産の整理に続き、いよいよ物の整理に入ります。世代を問わず、断捨離やお片付けがブームになり、得意とされている方がおられるかもしれません。通常の整理と異なるのは、やはり「遺族の負担を減らすため」だということ。ここでは、終活の一環として行われる「生前整理」の工夫をご紹介します。

効率よく生前整理を進めるには

効率よく作業するためには、いきなり作業に取り掛かるのではなく、事前準備をしておきましょう。

1:全体図、工程表を作る

家の間取り図をもとに、どの部分に何があるか、を把握しましょう。途中で発生する「決められないもの(検討中)」の一時的保存場所なども考えておいたほうがよいでしょう。そして、手をつけやすい部分からとりかかりましょう。いきなり、ハードルの高い思い出の品や家電に向かうと、それだけで疲れてしまい、なかなか進みません。また、一気にやろうとすると体力的にも精神的にも大変ですので、少しずつ行いましょう。消耗品は、思い入れのない品も多く、捨てやすいため、最初は文房具、雑貨などの小さいものから行い、慣れてきたら、家具や家電などの大きなものや思い出の品に取り掛かりましょう。どうでもよいところや、安いものから手をつけ、自信とコツを身につけていくのがコツです。

2:家族の「捨てないでリスト」を作る

本人にとって思いもよらないものが、家族にとって大事な思い出の品かもしれません。『お父さん、あれをなんで捨ててしまったの?』ということにならないよう、先に情報収集しておきましょう。周囲に「生前整理を始めるぞ」と宣言して、協力を求めるのもよいですね。

3:仕分け基準を設ける

3つめの準備として、物を「捨てる・残す」の判断基準を大まかに決めておくといいでしょう。
例えば雑誌ならば「2年以上前の物は捨てる」、衣類ならば「サイズが合わないものは捨てる」「1年着ないものは捨てる」などの基準を作っておくことで、効率よく生前整理をすすめることができます。

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生前整理をすすめるコツ

作業は箱を使って、捨てるものかどうかを判断しながら行うといいでしょう。箱を2つ用意し、それぞれ「捨てる」「検討中」の物を入れていきます。「捨てる」箱に入れたものは、原則として戻しません。検討中の物は、決断までの期限を設けましょう。カレンダーなどに書きこんで管理をし、期限中使用しなかった、もしくはまだ迷うようなら捨てるべきでしょう。万一あなたに何買ったた時、検討中の箱は、家族が捨ててよい、という位置づけだと周知しましょう。

断捨離の考え方を応用して、自分の気持ちをのせることも大切です。古いもの、滞っているものを捨てれば、新しい良いものが入ってくる(モノでなく、運や人間関係も含めて)、不用品のために家賃を払ったり固定資産税を払い続けるべきか、など、自分にあったモチベーションを探しましょう。

困った時は業者に依頼する

選別作業と、それに付随する「捨てる」という行為は日常的な動作ですが、物の量が多いと重労働になります。個人の手に余れば業者に依頼することも検討ですが、どこからどこまでを業者に頼むのかを明確にし、見積もりを取ります。相見積もりで複数の業者を比較検討し、対応力や信頼感も高い業者を選びましょう。

生前整理の料金は、部屋の大きさを基準に料金設定されている場合が多いです。例えば、ある企業の料金目安は以下のようになっています。

1K  30,000円~ スタッフ1~2名

2DK 120,000円~ スタッフ3~4名

3LDK 210,000円~ スタッフ5名~

処分方法

捨てる

・ボリュームが多く、粗大ごみなどが含まれる場合は専門業者に依頼するのも手です。

・私的な情報を残さないように、捨て方には注意しましょう。(パソコン、スマホなどは専門店へ)

売る

・ネットオークションや、地域の売買掲示板を出す(ネット掲示板もあり)など。

・リサイクルショップ

・古本屋や古着チェーン

あげる

・各種団体に寄贈。NPO法人日本救援衣料センターやNGOリサイクル環境組合をはじめ多くの団体がありますが、送料は自己負担などルールがあります。

・地域の図書館に蔵書を寄贈。