Lesson6-2 モノの整理:IT/デジタル

家の片付け以外にも、忘れてはならないものがあります。それは「デジタル情報の整理」。高齢者であっても、現代社会ではスマホやパソコンは必需品です。今、50代くらいの方でしたらさらにいろんなITツールを利用されていることでしょう。ひとりひとりがプライベートな世界を保って豊かに生活を送っていますが、いったん使用者が死去すると、ネット上の情報がそのままにされ悪用されるリスクもありますし、写真などのデジタル財産に家族がアクセスできなくなる恐れもあります。今は何事にもIDやパスワードが設定されており、普段は守るべきものとなっていますが、いざというときは家族や知人に管理を任せられるようにしておきたいものですね。抵抗を感じるかもしれませんが、事後処理の複雑さや漏れによる損失を避けるためにも是非検討していただきたい分野です。

死後に備えてまずやることは、デジタル情報を一覧表にすることです。

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PC本体

OSの起動用IDとパスワード

複数の管理者がいる場合も、それぞれ書き出しておきます。使用しているソフトや写真データなどを、どのように処理・管理してほしいのか、その方法や手順も決めて、記載します。遺族がパソコンに詳しいかどうかも考慮して、妻が無理なら息子、などお願いでいる相手を決めておきましょう。そもそもパソコンやスマホ起動・ログインのためのパスワードが不明では何もはじめられないので、IDとパスワードは印刷して渡しておくべきです。

家族にどうしても見せたくないデータの扱いについては、自分の死後にファイルやフォルダを消去してくれるフリーソフトがあります。「死後PCデータ」で検索してください。

メール

プロバイダのメール、無料メールサービスなどのIDとパスワードはもちろん、それぞれの用途と共に、すぐに退会するものか、しばらく様子見てほしいなどの要望を添えます。死去したことを知らずに重要な連絡が来ることも想定されますので、定期的に家族がログインして確認できる状態がベストです。見られなくないメールなどは削除するか、その旨を明記したフォルダを作り整理しましょう。

オークションなどのネット売買などのやり取りがある場合も、処理をどのようにするのかを明記しておかなければいけません。取引を終えないうちに不慮の事故に見舞われることもありえます。

マネー関係

ネットバンキングの金融機関名とID、パスワード、口座番号、利用取引の種類、連絡先をまとめます。株取引、FX、仮想通貨などすべてです。家族に内緒で加入した保険があれば、それも含めましょう。オンライン銀行は通帳が発行されないため、放置されがちです。へそくりなどの秘密の口座であっても、まず存在を誰かに知らせる覚悟をしましょう。

有料サイト、有料アプリなど有料のサービス

レンタルDVDや、web記事の有料会員、オンラインゲームなどの会社名とID、パスワードのほか、解約方法なども必須です。サイトを探して解約のページにたどり着くのは手間がかかる作業で、放置すると長期間引き落としが続いて損をしてしまいます

ブログやSNS

ブログ、または自分で運営しているサイト、SNSがある場合は、死後の管理や保存をどうするかの希望も書きましょう。死亡通知を一定期間張掲載するなどの場合は、パソコンスキルが必要になります。事後処理をお願いできる代理管理人を探しておくのも大切な作業です。最近は、死者のfacebookを引き続き家族が管理し、個人をしのぶ場として運用する例も見受けられます。