平均寿命では女性が長生きですので、夫が残されるというケースは少ないはずですが、実際にはありえます。そして、配偶者との死別によるストレスは女性よりも、男性の方がかなり高いそうです。理由は、家事や家計管理など生活全般を妻に任せきりにしていたこと。自分で把握し、自分でなんでもできるようにこころがけておくべきことが乗り切るポイントです。配偶者がいる男性の平均寿命が79.06歳なのに対し、1人暮らしの男性は70.42歳と算出され約9歳近くも短命だというデータも。

心のケアを心掛ける
妻を亡くした喪失感で、ひきこもりになったり、抑うつ感を感じ、ひどい場合には後追い自殺、という男性もいます。同じ境遇の男性をみつけるといっても、地域や趣味のコミュニティーでは難しいものです。普段から、自分の世界や人間関係を広げつつ、いざというときは妻を亡くした経験のある仲間に声をかける勇気を持ちましょう。カウンセラーや行政に相談、同じ境遇の方のサークルなどもあります。
炊事力をつける
食生活は健康維持の基本。ひとりだと、つい外食や総菜などで終わらせてしまいがちですが、栄養や味付けの偏りがあり、やはり自分で作ることも必要です。男の料理洋室、シニア料理教室がさかんに開かれていますし、初心者用の料理番組などを利用して取り組んでみましょう。自分のために料理する気にはなれないという方、それは実は女性でも同じことです。たとえば、こども食堂などの料理ボランティアとして、皆で料理を作り、大勢で食べる楽しみをみつけてみてはいかがでしょうか。
趣味やサークルをみつける
生活全般を妻に任せていたと同時に、妻が日常のペースメーカーになっていたというケースが多いでしょう。話し相手も妻がメイン。一歩踏み出すには、打ち込める趣味や仲間が必要です。どこかに所属している安心感や、もしかしたら講師としてあなたを必要としている方もいるかもしれません。または、有償・無償ボランティアでもよいので、地域の見守りや何らかの活動(防災など)に関わってみませんか。新たな世界が開け、ひとりになった悲しみや単調な日常から脱却するきっかけになるかもしれません。