コラム2 妻が残された場合

平均寿命や夫婦の年齢差から考えると、妻の方が長生きする可能性が高いといえます。それまで「一家の主」として夫に頼り切っていても、夫の死後、日々、判断や情報収集が必要な機会や付随する指示能力が求められるようになります。そんなこと私には決められない、今まで考えたこともなかった、とあわてるより、判断などは「慣れ」だと割り切って練習のつもりで臨みましょう。

また一般的に女性の強みは、子育てや地域活動を通して培った人とのつながりにあります。子供を含め、いざというときの支援を頼める関係作りが大切です。

d279558b81dca46a84f4420ef3d72ff0_s

心のケアにつとめる

同じ境遇の仲間は案外たくさんいます。伴侶を亡くした直後は、悲しみでとても人と話す気になれないかもしれませんが、落ち着いてきたら外に出て、早めに通常の生活を取り戻しましょう。すでに気の合う話し相手や長年の友人がいるから大丈夫なはずです。それでもどうしても調子が戻らないという場合は、カウンセラーや医療機関に相談するのも恥ずかしいことではありません。

日常的に夫や家族と情報共有をする

死生観(延命治療、葬儀、お墓、施設など)について話し合い、夫の意向を把握しておきましょう。エンディングノートにまとめておけばよいのですが、なかなかそこまではいかないという場合も多いと思います。いざというときの判断に迷わないように、情報収集するのはあなたです。

財産管理に強くなる

夫に任せきりという方も多いかもしれませんが、財産管理・家計管理には積極的にかかわり、半期ごとに内容を見直し、家族で共有しましょう。終活としての財産情報の整理を、一緒に行うのも有効ですし、できれば夫婦で行うべき事柄ですね。

家事を怠らない

家事に張り合いがなくなり、主に掃除や料理をしなくなる方もいらっしゃいます。もちろん、手抜きや効率よい家事はよいのですが、いきすぎると自らの健康を害することにつながります。一人で食事というのも味気ないので、子供や友人などと食卓を囲む機会を積極的に持ちましょう